最近の新聞に花粉症の治療について相反する内容の記事が掲載されました。あなたはどちらが正しいと思いますか?
●2001年2月8日 読売新聞朝刊:
静岡市内でも「一発で花粉症が治る注射」といって徐放性ステロイド剤の筋肉注射をしている医療機関があります。また小児にステロイドホルモンを含んだ内服薬を長期間処方する施設もあります。
花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の治療としてステロイドの長期間にわたる全身的な投与が必要な場合はほとんどないと思います。百歩譲ってもしどうしても徐放性ステロイド剤の筋肉注射を行うとしたら、患者さんには最低限、(1)抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、局所ステロイド剤などの治療もあることを説明し、(2)ステロイドを長期間使用した場合に考えられる副作用について説明し、(3)ステロイドの使用が禁忌になるような基礎疾患が無いことを確認すべきです。
ところが実際に「よく効く注射」をしている施設ではこういった説明はせずに注射しています。
この問題は静岡県花粉症調査委員会のホームページにも書かれています。http://www.siz.saiseikai.or.jp/~jibika/steroid.html